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日頃の行動をメモ。消しゴムで消して作品へと昇華する前の、日々の下書き。
This is my dairy memo. These will be a work after brush up process. .




    2007.FEB

2/1 エディタ制作

年末プロトを販売した さくさく面クリア型パズルゲーム「GUIE INDUST」※1だが、
実は意外にゲームシステムが複雑で、紙の上で面を考えることができない。

配置によっては面の形も変化させなければならず、それによってまた配置が変更を強いられる。SPHEREなど従来の私のパズルゲーム制作方法では対応できない状況なのだ。

仕方がないので、エディタを作った。

ボタンと装置が連動。そのままテストプレイもできる。ADVEN※2のトーンでもある針の山も新たにシステムに入れた。

仕事のクセか、エラーコーディングが基本になっていてしかも使いやすいようにと節約しない組み方で、昔と明らかに組み方が違うのが判るが、今は使いやすさが最優先な体なのだ※3。仕事してるみたいでストイックな気分であり複雑ではある。



2/5 LZコンテ作成ちう

数年来計画に入っていた、グレイコリアーグ派生の一つ、のコンテに入る。

グレイシリーズでやり残したアイディアの作品化なわけだが、プログラムは例え同じルーチンでも使いまわすことはせず、ゼロから検討する。

効率はよくないが、実は最初に錯誤したものはゴミ(試行錯誤のアト)がたくさん付随していて、ゼロから組みなおすと目的がハッキリしている分シンプルになるしエラーコーディングもなされるのでバグも出にくい。当時思いつかなかった今ならできる方法で組みなおせたりもする利点も大きい。
昨年手伝ったアセンブラの仕事もゼロから何度も組みなおし結果的に早く終わり演出に専念できたり。

以前遊びに行っていたゲーム会社の人で、FCタイトルを一人で担当されていた方が、なんと「プログラムは5、6回ゼロから書き直す」と言われていたのだが、今なら非常によくわかる。早いです、その方が。面倒ですが(笑)



あと
ゼロから組みなおすもう一つの大きな要因として「作品化」がある。
目的はゲームを作品として仕上げることなので、プログラムをその作品に特化した専用ルーチンとしてカスタマイズしていく過程こそが「作品を磨く」ことになるわけです(私の場合は)。
そもそも他で使えるようなサブルーチンなりプログラムというのは、スキあらばよそで使おうなんてユルい組み方が残っていると見なしてよく、それは作品として磨かれてない状態で美しくない※4わけです(私の場合は!)。


2/6 カギとトビラ

私のFM-7パズル作品では定番だった、カギとトビラという要素を追加。
このところの政策の一環として、ふと浮かんだ欲求には苦労してでも従うことにしている。
これもカギとトビラがエディタ上で連動するようにした。

今回は、最初からエディタ込みでのリリースを視野に入れている。

2/11 格闘老人ライヴ



じじいライブ。
今回もステージ上の錯誤をしていて、ドラムの内側にメンバーを含めた形のセッティングを模索したライブ、モニターが成功し、いい演奏ができた。ようやくステージ上の音響をコントロールできる方法の手掛かりが!


「ネットで検索にひっかからないということは、ネットに存在しないことと同義である」
のと同じで、
「聞こえない音には合わせられない」

ドラムについては、バンドをやっている人のほとんどは、スネアの音とバスとハットくらいしか聞いていない。
クリック、つまり目印としての役割としてドラムが位置付けられている。

しかし、落語の無舌※5と同じく、すべての音をひとまとめにして聴けば、表情も強弱もあるし、鳴っていないところにアクセントがあったりするので、スネアバスハットだけでは結果的にまったく違うリズムを聞いていることにもなりかねない。

その解消のため、
このところ練習スタジオでは、わざわざドラムを引っくり返してメンバーにドラムセット全体を聴いてもらう形で練習をしていて、それのステージ上での実現を試みたのである。

アンプが客に背を向けているので音圧がなかったりステージングがカッコよくない、とか問題はあり、今後解消していく。
まずは音、ウチが守るべきは音だけである。






ライブ映像をチェックしていたら朝方になった。ふとNHKの減力放送でかかっていたジャズに気づき、魅せられた!
モントルーでのライブ演奏らしく1960年代のものらしい。
以前からそうなのだが、ジャズにおけるベースソロやドラムソロの際、アタマを見失ってしまうことがよくあった。というか、何が面白いのかがずっとわからなかった。そしてなによりジャズの演奏自体に魅せられたことがなかったので、ようやく入り口が見つかった!という感じである。
ただ、現状はいくら聴いてもどこが合っているのかサッパリである。ただカッコイイ、だけがわかる状態。



2/19 プロジャズセッション(1)

もうずっとセッションに飢えていたのと、プロレベルのセッションに揉まれて打ちのめされたい※6、というのがあって参加してみた。ただジャズドラムは叩けない;許されるのだろうか。。。

とにかく神経を集中し叩いた:
  「酒とバラの日々」...ピアノソロに合わせた部分のみ( jazzsession070219_piano.MP3 / 3.6Mbyte )

当然裏ハットを踏んだりできないし音もうるさくなりがち。しかしプロのベーシストの方は面白がってくれ一安心。
ピアノの演奏に対応するフレーズをたたきつつ、最後にベストなショット(3:13あたり)を2打叩けたことが我ながら気に入っている。
最近のじじい練も音量を小さくすることを要求されているのでそれも効を奏したかも。。

しかし、ほかのドラマーさんたちのテクニックは抜群でおよびもせず。。とにかく食い入るように叩き方を観察。

ドラマーとしては、他の楽器がこうきたらもっとたきつけるフレーズ※7を叩きたいわけだが、それをバッチリすばらしいテクニックでやってのける方がいて、私の先を行く感じで感服し、なによりも、ハットやスネアの一打、リムの音など、キレがあるのがなにより!だった。音は鳴ればいいわけではなく、スリルが必要だからだ。

あとで話したら「どんなことがあっても1日1時間は練習を入れる」と言われていて、これくらいのテクニックのある人でもこうならば私はいくら練習しても足りない、毎日スタジオ入りしよう!と誓う。



2/20 プロジャズセッション(2)

今日もとにかく観察!倍テンポになるフレーズ、裏ハット踏み、バスの自由な入れ方の練習の必要性を感じる。

終了後、音大の学生さんたちと話し込む。オススメの音楽を聞いたりできたので後日チェックする※8

帰り際にプロの方に、
「変わった叩き方で下手なのかなと思ったりするが、ツボを押さえたドラムなので文句をいえないんだよなあ!ワハハハ!」とハウスドラマーさんと笑い合ってくださり、うれしく思うがまだぜんぜんコントロールできてないので、恐縮する。感性はともかく技術、つまり、昨年来のテーマである「コントロール」が結局課題なのだと。




2/21 文学セッション

日本文学を読まれる方とドラムでセッションを試みる。昨年その方のライブを見て鳥肌が立ったので、一度お手合わせしてみたいと申し出ていて、ようやくスタジオ入りとなった。

ご本人もドラムと合うのだろうか、と大変心配されていたのだが、幸い面白がってくださり一安心。もう綱渡り人生(笑)
独特のリズムは感じていたので特に心配はしていなかったが、ドラム音自体の音色や音量に非常に気を使う必要があり、手に汗握る演奏をひさびさに体験した。

合わせるに当たり、
言葉や単語の響き、意味、リズム、そして全体としての構成と、通しての効果音ではないグルーブを見つける、というハードルが非常に高く※9冷や冷やしつつだったが、自分の中の知らない引出しを開けてもらえるのがセッションの醍醐味で、お互いそれを体感することが出来た。


リズムを感じる、というのは、演奏相手の呼吸を感じて合わせる、ということで、野口整体※10でも基本なのだが、結局コミュニケーション※11をとろうとすることがポイントとなる。

そのためには相手の言葉や呼吸をちゃんと聞けていることが大事で、それができていると、自分の音が大きくても相手の音はきちんと聞こえる。逆に相手の音を聞いてない、つまり尊重していないと、相手の音は上書きされかき消される。お互いまったく同じ自分のフレーズを演奏しても、たったそれだけのことで聞こえるようになったり聞こえなくなったりするのだ!※12

今回はたとえ言葉でもその定理が津用するのだ、ということが再確認できた。

さらに言うと、その上で全体を面白くするアプローチをし、相手がそれにさらに上乗せし、どんどん上昇していく、というのが理想形だ。今後が楽しみ。


夜中スタジオ練:
今日からジャズのハット踏み練を開始する。ハットワークはあれこれやって自信があるが、踏むというコントロールについては皆無だったことに愕然とする(笑)
チッと鳴らすためには、リリースしてすぐ押さえ込まないとダメで、ああ、だからみんな2倍踏んでるんだなということがわかる。単に踏むと、足を上げたときに、くわーんと鳴って、踏むとカポッと鳴る。うわーん!バカバカ!(笑)動きは必然だったわけだ。岸本氏※13の3ヶ月理論で、脳に定着するまで毎日続ける覚悟をする。うきー。


このページでは私の成果、発見のみ記述しております。

※1
ヘボリ氏(HP)に遊んでもらったらクリア後「えーもう終わりー?」と言ってもらったので、もう嬉しくって!
やはりゲームはルールだよなあと勇気付けられました。さんきゅ。

※2
1987年発表のFM-7、1画面アクション。針山が初めて登場した、グレイグロファー(HP)でも継承されている。


※3
トフラーの言う「引き返せない楔」というヤツである・・・。




















※4
美しくない状態に我慢が出来ず、障害を乗り越えてやり遂げる力こそが「センス」と呼ばれるものなんですね。

ヌルさに我慢ができるようになったら、作品の完成度も落ちます。怖いですね怖いですね。

ちなみに、前作のコンテと実際については別ページ

























※5
語らずして語る、という境地。

日本人独特の、空気でわからせるという意味では日本人が本来得意とするはずのスキルであると思う

























※6
これでいい、と思ったら進歩どころか現状維持も難しい。打ちのめされるということは強烈な動機になるのだ。






※7
叩いたドラムによって、全体がより面白く刺激的になるようなフレーズのこと










※8
たまたま会った人が熱烈に推す音楽や文化は、今自分に興味なくとも絶対何かあるので、未知の宝庫である。
これらは後日手に入れてヘビーローテーションをかけ会得することにしている。










※9
相手の要求ではなく、自分で勝手に課したハードル。


※10
整体創始者、故野口晴哉氏。著書販売サイト

※11
相手の意思言葉だけでなく、無意識の体の動きや空気など、広い意味でのコミュニケーション


※12
昨年発見した定理。相手のフレーズを聞いてないのだから、音空間上に、相手の場所を用意してあげてないことになる。聞こえなくなるのは当然なのだ


※13
百ます創始者の故岸本氏。脳索が次のニューロンに繋がるまで3ヶ月かかり、実際百ますなど教育の効果はだいたい3ヶ月続けないと出てこない、と著書で書かれている。