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クソゲーソフトレビュー:0005
「悪魔くん 魔界の罠」1990年 バンダイ
ファミコン

版権モノの良ゲー

アイレムに並ぶ、いびつな自社製カートリッジのバンダイです。このカタチのせいでどうも内容もダサいのではないか?と思っていたのだが、最近買ったROMがぼろぼろたまってしまい「もしかして一生かかっても遊べないのではないか?」との危惧から「買った当日チェックする」クセをつけた。
で、しぶしぶやったこのゲームでその斬新さにビックリしたワケです。考えてみれば女神転生にしろスウィートホームにしろ、これまでやった版権モノって結構面白いことしてたもんな。うっかりうっかり。

世界征服に立ち向かう悪魔

「悪魔のくせに」世界を助ける旅にでるゲームらしい。よくわからん。基本はドラクエタイプで、ワールドマップを旅していき、町で話しを聞いたり謎を解いて仲間を増やしたりしていき、最終的に世界征服を企む魔王(?)を倒すRPGである。町は1次元横スクロールで、人と話すにはすれ違いざまに話し掛けたりとか、仲間を呼ぶシステム、魔札を使う魔法システムなど、かなり全体的に独自のシステムが採り入れられているゲームです。


新システムRPG

基本的にはドラクエタイプのRPGなのであるが、魔法と仲間の扱い方がかなり特殊で新しい上、ゲームの中できちんと消化している点にすごく感心した。

まず仲間は女神転生と同様、戦闘時にこちらの世界に呼び出して戦わせるのは変らない。呼び出すには「CP」を消費するので効率よい呼び出しを考える必要がある。この仲間は使徒とよばれ、世界各地に散らばっているので一人づつ仲間にしていくと呼び出して闘えるようになる。

仲間たちはそれぞれ個性のある攻撃方法を持っているので、現われた敵をみて「コイツとコイツ呼ぼう」とできるところがドラクエでできなかった手軽さのように思う(いれかえとか面倒だった)。彼らに命令して特殊攻撃をさせることもできるのだが、この場合はCPを消費するので安易に利用できないし、命令できるコマンドは彼らの通常攻撃とは違う(!)ので、このへんがやきもきもあり、楽しいところでもある。
最初の内は、「かじゅう」(果獣?)の「体当たり」や、「ひゃくめ」の「めだま攻撃」が重宝すると思う。

また、生命力がなくなると自動的に「ちからつきて」元の世界に戻っていくが、再び呼び出すと生命力は元どおりになるので、生命力がなくなったら戻して呼ぶという手も使える。こういうところで変に制約を加えていない点は評価できると思う。もちろんCPを消費するから、リスクをすべてCP管理に負わせているということだ。システムデザインが優れているいい例だろう。

戦闘でないときに仲間達を呼び出しておくと戦闘になったとき呼び出す必要がないし、戦闘が終了しても帰らないので便利だぞ(私は知らず、中盤まで毎回戦闘の度に呼び出していた)。

仲間たちの人間味

ドット絵のことをよくわかっているデザイナーによる仲間達の絵は彼らに個性を与えているが、気まぐれな攻撃に加えて存在するのが「機嫌パラメータ」である!

最初なんのマークだろう、と思っていたが、戦闘中に逃げたりすることでその存在を知ったときは「ああなるほど!」と思ったものだ。「かじゅう はなにもしなかった」とでたら危険な兆候、「ソロモンの笛」をピロピロ吹いて回復を図らなくてはならない。この機嫌の変化がなかなか秀逸で、例えばボス戦などで主力部隊の世話で手一杯な時、ほっとかれている奴ほど機嫌が悪くなる。命令しようとしたら「こうもりねこはきげんがわるい」とかでるのだ。「おまえらなあ〜ほんっとに気分屋だよなあ、こっちの苦労も知らんと!」とちょっと親御さんになった気分である。

魔札による魔法システム

このゲームの魔法は6種類の「魔札」と呼ばれるアイテムを組み合わせて行う。魔札は店で買えるのだが、唱えるためには「研究所」で実験する必要がある。そこで成功すれば発見したことになり、次の戦闘から使えるようになる寸法なのだ。最初は分からないので実験室で適当に置いてみたが見つからず、あきらめて町を進んでいたら町の人にヒントをもらえたりした。この世界では「あと一歩で完成なのだが・・」という人が多いのでそれを利用しよう。

魔法自体は一回唱えるのに6枚の魔札が必要となるので当初は戦闘後にもらえるお金よりも高くつくので、ゲーム終盤になるまで町移動の「トラベ」ぐらいしか使わない。この辺は詰めが甘いような気がするが、最終戦闘に十分活用されるので、魔札とはボス戦のため、と思うとよろしかろう。
とはいえ、新しい魔法陣のヒントをもらえると嬉しくてうほうほ町に帰っていましたが。

ナゾのスタッフ

このゲームは全体的に実に丁寧につくられている。
音楽は作曲のよさもさることながら、ギターのスライドや、タイコのチューニングが落ちていく音などまで表現しているし、グラフィックはファミコンのドットに合った表現をしてある。また、戦闘などのシステムや魔法のシステムもゲーム全般に絡み、単なる企画でおわっていない。

しかし、エンディングにもどこにもこのゲームの製作者の名前がでてこないのだ!!!なぜだ!!隠れ仕事か?デキが良いだけにぜひ知りたいところである。







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