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BAD INTERVIEW よりオウテカautechre, STUDIO VOICE vol.387 P125 より抜粋




--- 誰もが音楽を手軽に作り出せ、手軽に楽しめる状況の中で、本格的な音楽活動を続けていくことについて、希望と危惧とどちらの気持ちが強いですか?

「希望かな。音楽産業というモデルは終了したんだ。終りだよ。新しいモデルを模索しなくてはいけないんだ。もし続けたいのなら、再び築かなくてはいけない。レーベルやその他今ある形は、数年後には全く機能しなくなり、別の形が出て来ているだろう。サヴァイヴしていくには変わっていかなくてはいけないんだ。大きなレーベルほど、ストックを消却してリストラして、スケールダウンしていかなくてはいけない。でも俺達はそんなことは全く気にしていないんだ。リスナーは、俺達の音楽を好きでいてくれるだろうからね。インターネットの良いところは、自分のリサーチに基づき、自分で意思決定をできるということ。デモクラティックになったといえるね」

--- かつてのオウテカがそうであったように、ベッドルームから生まれた音楽が再び革命を起こすようなことはあると思いますか?

「思うね。というか自分達がやっていたは革命的であったとは思ったことがない。大学に留まる機会があって、それでやっていただけで、それが仕事になったから、自分達のやっていることで政治的なことや文化的なことを考慮したことも一度もない。ただやるべきことを積んで来ただけだ。今の世の中は俺達が音楽を始めた頃とは完全に違う環境だ。マイスペースを覗けば、いくらでもフレッシュな音に出会える。本当に多くの人がエキサイティングな音を発信している。新しいアイディアが生まれる完璧なる条件とは、意識の欠如と単純さだ。単純さ、あるいは無邪気さというのは、音楽にはとても大きな要因だ。少なくとも個人的には、オリジナルなアイディアを導き出すには、無邪気さというのがとても重要になってくる。知識というのも大きな要素にあるが、まずそれをきちんと使いこなせるようにならなくてはいけない。無邪気な状態では、ただボタンを押せばよいだけだ。その点、ベッドルーム・アーティストたちは、単純に無邪気な状態で制作にいそしめる。作ったらすぐマイスペースで数曲披露することもできる。評判を広げるのにも、いままでとは比べ物にならないほど簡単になったしね。」